78 きつねの嫁入り

78きつねの嫁入り

 むかし、新堀の土橋のところに「お伊勢山」という松山がありました。石塔が建っていたので、そう呼んでいたということです。
 このあたりには、きつねがたくさんいて、雨ふりの夕方などには、ちょうちんの灯が点々とつき、行列を作って土橋の方に進んで行ったそうです。
 「ああ、あれは、きつねの嫁入り行列だ。」
 しばらくしてフッと灯が消え、もとの闇に戻るということです。(『東大和のよもやまばなし』p172)